編集:2026年10月

今回は、2027年度(令和9年度)の補助金がどう変わるのか、現時点で分かっている変更点を速報でお伝えします。内容は2026年8月末に公表された概算要求の資料に基づくもので、金額や要件が確定するのは12月の政府予算案です。
2027年度の補助金制度の変更点
予算が補正予算から当初予算へ
これまでの中小企業向け補助金は、年末に成立する補正予算が実質的な財源でした。2027年度はこれを当初予算に計上する方針が示され、要求額も昨年度を大きく上回る規模になっています。
当初予算に計上されれば、これまでの「年末に補正予算が成立し、年明けから公募開始」という流れが早まる可能性があります。年度の初めから1年間の申請スケジュールが見通せるようになり、設備の発注時期を計画しやすくなる点が、実務上いちばん大きな変化です。
補助金の統合と名称変更
2026年度にものづくり補助金と新事業進出補助金が統合されましたが、2027年度も再編が続きます。制度名が変わると過去の情報が探しづらくなりますので、ご検討中の制度がどこに引き継がれるのかは個別にご確認ください。
申請要件に「宣言」が入る
金額や補助率とは別に、申請の入口にあたる要件が変わります。売上目標を宣言することを求める制度が複数あり、対象となる事業者の範囲に関わる変更です。詳細は各制度の項目をご覧ください。
支援の方向性の変化
概算要求の資料には、冒頭に「基本的な課題認識と対応の方向性」という項目があります。2026年度は物価高や人手不足といった厳しい経営環境を支えることが出発点でしたが、2027年度は「変革に挑む企業に対し、積極的かつ幅広い支援」という書き方に変わりました。環境が厳しいから支えるという組み立てから、成長に向けて動く企業を後押しするという組み立てに寄っています。以下の要件変更も、この流れの中にあります。
ここからは制度ごとに、変更のあった点をご説明します。
省力化・デジタル化・AI投資補助金
省力化投資補助金と、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)が一つの制度に統合される予定です。これまで設備は省力化補助金、ソフトウェアはIT導入補助金と分けて検討していたものが、まとめて一つの申請で扱えるようになる見込みです。補助上限額・補助率・申請枠の構成は未公表です。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金
「売上高10億円をめざす宣言を原則として要件化」とされました。規模を問わず申請できていた制度に、成長目標を掲げることが入口条件として加わります。あわせて、AI活用や省力化につながる投資を重視する方向が示されています。宣言の具体的な手続きと、原則の例外にあたる範囲は未公表です
地域産業クラスター形成支援補助金
中堅・中小大規模成長投資補助金の後継にあたる制度です。個社の大型投資を支援するという組み立てから、地域単位での産業集積を支援する枠組みに変わります。最低投資規模や賃上げ要件も含めて、詳細は未公表です。
小規模事業者持続化補助金
対象者の書き方が変わりました。「例えば1億円をめざすなど、売上規模を拡大し『成長志向の経営計画(仮称)』を宣言する者を含む小規模事業者等」を支援するとされています。「含む」という書き方ですので、宣言をしない事業者が対象外になると決まったわけではありませんが、審査上どう扱われるかは注視が必要です。
中小企業成長加速化補助金
現時点で、制度内容の変更についてのアナウンスはありません。
M&A・事業承継補助金
現時点で、制度内容の変更についてのアナウンスはありません。あわせて、事業承継税制の抜本見直しと、中小企業事業再編投資損失準備金(グループ化税制)の延長等が、税制改正要望として掲げられています。
今後のスケジュール
2026年12月 政府予算案の閣議決定(金額と制度の骨格が固まります)
2027年3月 予算の成立
2027年度 順次公募開始
まとめ
2027年度は、補助金の金額そのものよりも、公募の時期と申請の入口が変わる年になりそうです。特に要件の変更は準備に時間がかかるものが多く、確定してから動くと間に合わないケースも出てきます。来年度に設備投資や新規事業をご検討されている場合は、早めに一度ご相談いただければ、現行制度で申請する場合と来年度を待つ場合の比較も含めてご案内できます。

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