これでバッチリ!ここだけは押さえておきたい電子帳簿保存法

編集:2023年10月

2022年1月1日から施行されている改正電子帳簿保存法。2年間の猶予期間を経て。2024年1月1日から完全導入されます。慌てて対応することがないように、事前に準備を進めておきましょう。

電子帳簿保存法とは

国税関係帳簿の電磁的記録による保存制度

国税関係帳簿とは、仕訳帳や総勘定元帳などの各種の帳簿のことを指します。対応している会計ソフトを利用するなどの要件のもと、帳簿を紙ではなく電子データで保存できるという制度です。
ちなみに、電子帳簿保存法では、しばしば「電磁的記録」という言葉が出てきます。難しい言い回しですが、電磁的記録といえば、PDFなどの電子データだと思えば大丈夫です。

国税関係書類の電磁的記録による保存制度

国税関係書類とは、請求書や領収書、納品書、契約書など帳簿を作成するためのもととなる各種書類のことを指します。
請求書をはじめとする国税関係書類については、手書きではなくパソコンで作成することが一般的になりました。
こうした電子データで作成した国税関係書類については紙に出力せずに、電子データのまま保存することを認める制度です。

スキャナ保存制度

スキャナ保存制度とは、レシートなど紙で受領した国税関係書類について、一定の要件に従ってスキャンすることで、紙での保存に代えてPDFなどの電子データでの保存を認める制度です。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度

もともとが紙ではなく電子データの形式で受領した書類や情報については、紙に印刷して保存するのではなく電子データの形式で保存することを義務付ける制度です。

一口に電子帳簿保存法の改正といっても、大きく分けて4つの改正ポイントがあり、それぞれは全く別のことを定めています。
電子帳簿保存法について対応を考える際には、まずはどの改正ポイントについての話なのかということをしっかりと理解しておくことが重要です。
この4つの改正ポイントのうち、事業者が必ず対応しなければならない、つまり義務化されているのは4つ目の「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度」のみです。
あとは、従来の要件が緩和され、電子データでの保存が容易になったというものです。

義務化内容

電子データについて、そのまま電子データで保存しなければならないというのが義務化された内容です。
電子帳簿保存法における電子データというのは、もともとが紙ではなく電子的な方法、例えばメール添付やインターネットからのダウンロードで受領した請求書や領収書等のほかに、メール本文そのものが請求内容になっている場合や、EDIでやり取りしたデータなどが該当します。
電子データでの保存義務化といっても単にファイルを保存しておけばよいというわけではなく、保存の方法も細かく定められています。
保存方法については、以下の点を遵守する必要があります。

見読可能装置の備え付け

「見読可能装置」とは、パソコンのディスプレイやプリンターなど電子データで保存した書類について画面上で確認したり、書面で出力したりするための設備を指します。電子データで保存するということは、税務調査などで税務署に書類を提示するときも電子データを確認してもらうことになります。
そのため、電子データを確認できるようにしておく必要があるということです。

検索機能の確保

電子データで保存した書類について、検索を容易にするために、以下の3つの情報を記録しておく必要があります。

a.取引年月日その他の日付(請求書の日付など)
b.取引した金額
c.取引の相手先

こうした情報を記録しておくことで社内でも書類の確認が容易になるほか、税務調査の際もスムーズに書類をデータの中から取り出すことができます。

自社開発のプログラムを使う場合のシステム概要を記載した書類の備え付け

他社が開発したプログラムを使用する場合には関係ありません。ほとんどの事業者は他社が開発したプログラムを使用するため、あまり気にする必要がない点ではあります。

以下のいずれかの方法での方法によって電子データを保存すること

①タイムスタンプが付された電子データを相手方から受領すること
②電子データの受領後に一定期間内にタイムスタンプを付して保存すること
③電子データの記録について訂正や削除を行った事実が確認できる、または電子データの訂正や削除ができない機能を持つシステム上で電子データを保存すること
④電子データの訂正や削除についての扱いを定めた事務処理規程を作成し、その通りに運用すること

ただし、これらを遵守して書類を保管することは、特に中小企業では実質的に不可能です。
そのため、システム面で整備できない場合や社内でのワークフローの整備が間に合わない場合などの事情があればシンプルに電子データ形式で保存しておくといった対応も認められます。

電子帳簿保存法の実務的な対応

電子帳簿保存法に対応する上での実務的な面での注意点としては、以下のことが考えられます。

使用している会計ソフトの対応状況の確認

多くの会計ソフトでは、検索機能の3つの情報を電子データに持たせたり、電子データにタイムスタンプを付与したりというように、電子帳簿保存法に対応した機能を持つものがあります。
まずは、今使っている会計ソフトがどのように電子帳簿保存法に対応しているのかということを把握しておくことが重要です。

どの方法で電子データを保存していくかということについての決定

電子データの保存には、上記で述べたように4つの方法があります。
タイムスタンプの機能を持つシステムや訂正や削除の履歴をログとして記録できるシステムの導入をするのか、それとも事務処理規程で運用していくのかといった方向性をまず始めに決めておく必要があります。

電子帳簿保存法の対応は、猶予期間が終わったらいきなり業務フローを変更するということは不可能といってよいでしょう。
あくまでこの2年の猶予期間は準備期間ととらえ、2024年1月1日までに完全移行できるようにスケジュールを組んでいく必要があります。

実務で役立つ「申請のポイント」や「活用事例」などを、会員さま限定で公開中です。無料登録でぜひご活用ください。