ファーストパーティデータとは?似た言葉との違いと活用事例

最終更新:2025年4月

近年、データマーケティングの世界では、「ファーストパーティデータ」という言葉が注目を集めています。これは、企業独自で直接収集するお客さまデータのことで、マーケティング戦略において非常に重要な役割を果たします。
この記事では、ファーストパーティデータの基本から活用方法、そして未来への展望までをわかりやすく解説します。

ファーストパーティデータとは

まず始めに、ファーストパーティデータの基本について解説します。

ファーストパーティデータの定義と特徴

ファーストパーティデータとは、企業が自社で直接収集し、管理しているお客さまデータを指します。具体的には、ホームページの訪問履歴、アプリの利用情報、購入履歴、お客さま情報(氏名、メールアドレスなど)が含まれます。
このデータの特徴は信頼性と出所の明確さにあり、他社や第三者を介さずに取得した情報であるため、その精度が非常に高い点が挙げられます。

ゼロパーティデータやサードパーティデータとの違い

ファーストパーティデータと対比されるデータに、ゼロパーティデータやサードパーティデータがあります。
ゼロパーティデータは、お客さまが自ら進んで提供するデータを指し、アンケートやプロファイル設定の情報が該当します。このデータはお客さまの意図や嗜好が色濃く反映されており、ファーストパーティデータとの組み合わせでさらなる価値を生み出します。
一方でサードパーティデータは、第三者が収集したデータで、企業が購入して利用する形式が一般的です。ただし、サードパーティデータの信頼性は収集元によってさまざまで、個人情報保護規制の強化に伴い利用が制限される傾向にあります。

収集されるデータの種類と具体例

ファーストパーティデータにはさまざまな種類があります。たとえば、ホームページやアプリ上で得られるデータには、訪問履歴、クリックデータ、滞在時間、購入履歴などが含まれます。オフラインの場面では、実店舗におけるPOS(販売時点情報管理)データ、アンケート回答、展示会で収集した名刺情報などがこれに該当します。
また、電話番号やメールアドレスなどの基本的な連絡情報も代表的な例です。これらのデータを活用することで、ターゲットの購買傾向やサービス利用傾向が把握でき、マーケティング施策や商品開発に活かすことが可能になります。

ファーストパーティデータの収集方法

次に、ファーストパーティデータの収集方法について解説します。データ収集を行う際には、個人情報保護法やGDPR(一般データ保護規則)など、データプライバシー規制の遵守を心がけましょう。

自社ホームページやアプリからのデータ収集

自社ホームページやアプリは、ファーストパーティデータを収集する一般的かつ効果的な手段といえます。例えば、ユーザーの購入履歴、訪問回数、クリック行動、滞在時間、登録情報などが挙げられます。
これらのデータは、お客さまの行動や嗜好を反映しているため、信頼性と精度が高いのが特徴です。また、お客さまがアプリを利用する際に提供されるログイン情報や操作履歴は、個別のパーソナライズ戦略に活用できます。サードパーティCookieの使用が制限される中、これらの直接的なデータ収集は、今後ますます重要になるでしょう。

オフラインでのデータ収集

オフラインでのファーストパーティデータの収集方法としては、店舗での会員カード利用やポイントプログラム、POSシステムを通じて取得される購入履歴などが挙げられます。また、展示会やイベントで名刺交換をすることで、連絡先や職種などの情報を収集することが可能です。
これらのデータはオンラインと結び付けて統合分析することで、お客さま体験の向上やマーケティング施策の改善につながります。

アンケートやキャンペーンを用いたデータ収集

アンケートやキャンペーンも重要なファーストパーティデータ収集方法の一つです。お客さまに対してニーズや意見を直接尋ねることで、ゼロパーティデータとなる有益な情報を得ることができます。
また、キャンペーンやプレゼント企画を通じて、連絡先やお客さまのニーズデータを収集することもできます。これにより、お客さまの購買動機やブランドへの期待感を把握し、マーケティング戦略に反映することが可能です。

データマーケティングにおけるファーストパーティデータの活用事例

ここでは、ファーストパーティデータの活用方法について、具体例を含め詳しく解説します。

お客さま体験(CX)の向上をめざす活用方法

ファーストパーティデータを活用することで、お客さま体験(CX)につなげることができます。例えば、ホームページやアプリ上で収集した購入履歴や閲覧履歴を分析し、お客さまの趣味嗜好やニーズを特定できます。そして、個々のお客さまに適正な商品を提案することで、お客さまにとってより快適でパーソナルな購買体験を提供できます。
また、過去の購入データを基にしたパーソナライズされた新商品のプロモーションは、お客さまの満足度を高め、ブランドロイヤルティを強化します。このように、ファーストパーティデータを活用すれば、個々のお客さまに寄り添った体験を提供することができ、企業競争力の向上にも寄与します。

リターゲティングやメールマーケティングでの応用

リターゲティングやメールマーケティングでもファーストパーティデータを活用します。例えば、ホームページ訪問者のデータを基に、再訪を促す広告を的確なタイミングで配信することができます。
また、収集したお客さまの購入履歴やニーズに基づいたメールキャンペーンを実施することで、エンゲージメント率を向上させることができます。ファーストパーティデータは、精度の高いターゲティングを可能にするため、広告費の削減とROI(投資収益率)の向上にもつながります。

ECサイトにおける購買データの活用例

ECサイトにおいてのファーストパーティデータの活用例としては、お客さまの購買履歴や閲覧データを活かしたレコメンド機能を導入が挙げられます。この機能を使うことで、お客さま一人ひとりに適切な商品提案が可能になります。
また、カート放棄データをもとに、自動でリマインドメールを送信すると効果的です。さらに、頻繁に購入する商品や再購入のタイミングを予測して、予め割引クーポンやサブスクリプションサービスを提案する事例もあります。

ファーストパーティデータ活用の課題

消費者が安心して自身のデータを提供できる環境を整えることは、企業にとって非常に重要な課題です。最後に、今後のファーストパーティデータ活用における展望と、企業が取り組むべき課題について解説します。

Cookie規制時代におけるデータ活用の可能性

近年のプライバシー保護に対する意識の高まりを背景に、Google Chromeなどの主要ブラウザがサードパーティCookieの廃止を進めています。この変化により、ファーストパーティデータの重要性はさらに高まっています。
自社で収集し管理するファーストパーティデータは、お客さまとの信頼関係に基づいたデータ活用を可能にするだけでなく、サードパーティデータに依存しないマーケティング戦略を構築するための基盤となっていくでしょう。

データマーケティングの拡大に伴う法令の変化とその対応

データ活用が進む中で、プライバシー保護に関する法令や規制も進化しています。GDPR(一般データ保護規則)や日本における個人情報保護法などの規制は、企業に透明性の高いデータ運用を求めています。これに伴い、データの収集・保存・使用における適切な手続きやお客さまの同意取得などへの対応がますます重要になります。ファーストパーティデータを活用しながら法令順守を徹底し、お客さまの信頼を確保することが、持続的な成長につながるでしょう。


ここまでファーストパーティデータについて解説してきましたがご理解いただけたでしょうか。ファーストパーティデータは、単なるお客さま情報データではなく、お客さまとの信頼関係を築く橋であり、競争優位性を高める重要な資産です。
Cookie規制の時代において、このデータをいかに活用し、企業成長の礎とするかがビジネス成功への鍵となります。今回の記事を参考に、適切な管理と技術の進化を味方にて、データマーケティングの新たなステージへ踏み出しましょう。


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