編集:2026年2月

企業にとって重要な課題となるのが資金調達です。いかにすばらしい製品やサービスを開発しても、事業を行うための設備資金や事業が軌道に乗るまでの運転資金がなければ事業を続けることはできません。
また、一般的に実績がない創業期においては信用力が乏しく資金調達が難しい傾向にあります。
そこで今回は、開業時から、開業7年以内の企業に適した融資制度である「新規開業資金」についてご紹介します。
新規開業資金とは
新規開業資金とは、日本政策金融公庫が創業・スタートアップの資金調達を目的に行う融資制度です。新たに事業を始める方もしくは事業開始後概ね7年以内の方を対象にしています。
創業期の方(新たに事業を始める方または、事業開始後税務申告を2期終えていない方)については、無担保・無保証人、利率引き下げ、長期返済が可能となります。幅広い方の創業・スタートアップを重点的に支援しています。
融資条件
| 融資対象 | 新たに事業を始める方または事業開始後概ね7年以内の方 |
|---|---|
| 使用用途 | 設備資金および運転資金 |
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円まで) |
| 返済期間 | ・設備資金:20年以内(据置期間5年以内) ・運転資金:10年以内(据置期間5年以内) |
| 利率 | 原則、日本政策金融公庫の基準利率を適用 ※一定の要件に該当する事業者については特別利率が適用されます。 |
| 担保・保証人 | 担保・保証人 要相談 |
利率
新規開業資金を利用した場合の利率は、日本政策金融公庫によって決定され主要利率一覧表にて確認できます。一覧表は担保の有無、経営者保証の有無、利用する融資制度によってそれぞれ決められています。
また、要件を満たすことで利用できる特別な利率も定められています。
例えば、女性または35歳未満か55歳以上の方が本制度を利用する場合、特別利率Aを利用することができます。
有利な条件で利用する方法
新規開業資金は創業・スタートアップ支援を中心としておりますが、特に「女性、若者、シニアの方」「廃業歴等がある方」「中小会計を適用する方」に該当する場合、有利な条件で利用できる場合があります。
そのため、上記の要件に該当する事業者については本制度を通常よりも有利な条件で利用することができます。具体的な内容は、以下のようになります。
●女性、若者、シニアの方
新たに事業を始める方または事業開始後概ね7年以内の方のうち、女性または35歳未満か55歳以上の方については、特別利率Aで本制度を利用することができます。特別利率Aは基準利率よりもおおよそ0.4%程度、低い利率で融資を受けることが可能です。
●廃業歴等がある方
新たに事業を始める方または事業開始後概ね7年以内の方のうち、廃業歴等があり創業に再チャレンジする方については、前事業に係る債務を返済するために必要な資金も融資対象にすることができます。
また、通常は運転資金の返済期間が10年以内ですが廃業歴等がある場合は、15年以内になります。
しかし、利用するには廃業の理由・事情がやむを得ないものであることなどの要件があるため注意が必要です。
●中小会計を適用する方
新たに事業を始める方または事業開始後概ね7年以内の方のうち、「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しているまたは適用する予定の方であって所定の要件を満たした方については、特別利率Aで本制度を利用することができます。特別利率Aは基準利率よりもおおよそ0.4%程度、低い利率で融資を受けることが可能です。
しかし、利用するには自ら策定した事業計画書について認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けているなどの要件を満たす必要があるため注意が必要です。
併用できる特例制度
新規開業資金は、日本政策金融公庫が行っている特例制度と併用することが可能です。併用することで低い利率で融資を受けることができたり、経営者保証を免除することが可能になる場合があります。
併用できる特例制度は以下になります。各制度によってさまざまな要件がありますので、事前に相談することをおすすめします。
- 経営者保証免除特例制度
- 創業支援貸付利率特例制度
- 設備資金貸付利率特例制度(東日本版)
- 賃上げ貸付利率特例制度
まとめ
開業時の資金調達はスムーズな事業開始を行うためにとても重要です。
しかし、一般的に実績がない創業時の資金調達は難しい傾向にあります。新規開業資金は、開業間もない企業から開業7年以内の企業まで幅広く利用することができます。
ぜひ、内容を確認して利用を検討してみてください。

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