コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を提供することで商品・サービスの認知度を高め、顧客とコミュニケーションをとるためのマーケティング手法です。
例えば、楽天グループ株式会社は、楽天市場に関心がない若者に向けて「ソレドコ」という商品紹介サイトを立ち上げ、コンテンツマーケティングをおこなっています。「ソレドコ」では、ライター独自の視点でおすすめ商品の紹介やハウツー記事を掲載することで営業色を薄くし、自然に楽天市場に誘導するというマーケティングに成功しています。実際に、ソレドコの記事を見たユーザーの方がブランド認知度が高いという調査結果が出ているそうです。
インターネットが普及し多くのユーザーが自ら情報を集める現代においては、質の高いコンテンツを継続的に提供することで、購買意欲に影響を与えたり企業のファンになってもらったりといった、顧客と企業の関係性を保つコンテンツマーケティングが重要です。コンテンツマーケティングで制作するコンテンツにはいくつかの種類があるため、目的やターゲットに応じて適切なコンテンツを選択する必要があります。
今回は、コンテンツマーケティングの特徴やメリット・デメリット、コンテンツマーケティングを成功させるポイントについて解説します。
コンテンツマーケティングの特徴
コンテンツマーケティングの目的
コンテンツマーケティングでは、広告とは違い商品・サービスの直接的な売り込みはおこないません。
情報収集しているユーザーに有益な情報を提供し、信頼関係を構築することで商品・サービスを認知してもらい、顧客を育てていくことがコンテンツマーケティングの主な目的です。
商品・サービスを認知してもらってから購入してもらうまでの道のりを「カスタマージャーニー」と言い、大きく以下の5つのプロセスに分かれます。
①興味関心・困りごとがある
②情報収集する
③比較検討する
④購入する
⑤共有・拡散する
コンテンツマーケティングでは、この5つのプロセス毎に適切なコンテンツを提供することが重要です。
このプロセスに沿って、どんなユーザーにどんなコンテンツを届ければ良いか、不足しているコンテンツはないかなどを確認しながらコンテンツマーケティングを計画・実行することで、顧客を育成し関係を構築することができます。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングには主に以下の7種類があります。
コンテンツマーケティングを実施するにあたっては、目的やターゲットに合わせたコンテンツを選択することが重要です。
記事
ホームページやブログなどで、ユーザーの持つ課題や疑問を解決するノウハウ、事例、インタビューなどを記事形式で発信します。
SNS
Facebook、Instagram、X(旧Twitter)などで、オリジナルコンテンツを発信します。利用者が多く、拡散力が高いことが特徴です。
動画
YouTubeやホームページなどで動画を公開します。文字や写真では伝えられない情報を伝えることができるため、より印象に残ります。
ランディングページ
特定の商品・サービスについて説明し、商品購入や会員登録などの行動を促すページです。
ホワイトペーパー
自社の商品・サービスについての概要や調査結果などをまとめた資料で、ユーザーの問題解決に役立つ情報です。
メールマガジン
Eメールで商品・サービスの情報、イベント情報やニュースなどを定期的に発信します。
プレスリリース
記者やメディア向けに新商品・新サービス、イベント開催情報などを告知するものです。
コンテンツマーケティングのメリット
費用がかからない
コンテンツマーケティングは広告ではないので、広告費をかけて露出する必要はありません。
ホームページが既にある場合は、コンテンツを作成するための人的コストのみで始めることができます。インターネット上でコンテンツを閲覧してもらうためにはSEO対策が必要になりますが、工夫すれば費用をかけずにおこなうことも可能です。
継続的な集客が見込める
コンテンツマーケティングで制作したコンテンツは、ホームページやSNSで一度公開すれば削除しない限りは残り続けるため、公開してから時間が経った後でも閲覧される可能性があります。さらにSEO対策をして検索結果の上位を維持することができれば、継続的に多くのユーザーを集めることも可能です。
商材・サービスを知らない人にも訴求できる
コンテンツマーケティングでは、ユーザーが知りたい情報を探してコンテンツに辿り着くため、商品・サービスを認知していない場合でもコンテンツを閲覧してもらうことができます。さらに、興味や課題を持って情報収集をしているため、コンテンツマーケティングによって上手く育成できれば、将来的に商品・サービスを購入してもらえる可能性が高いです。
また、コンテンツマーケティングで制作したコンテンツは広告と違って営業色が強くないため、ユーザーにマイナスイメージを抱かせることも少なくなります。
コンテンツマーケティングのデメリット
時間がかかる
コンテンツマーケティングは、コンテンツの制作はもちろん、コンテンツを公開してから効果が出るまでにも時間がかかります。
お金をかければすぐに露出できる広告と違い、SEO対策をおこなうことで時間をかけて露出させたり、ユーザーと一から関係性を構築して購入・登録をしてもらったりするのがコンテンツマーケティングの特徴ですので、中長期的な計画を立てる必要があります。
定期的な更新が必要になる
コンテンツマーケティングでは、継続的にコンテンツを制作して更新し続けることが重要です。
コンテンツが高頻度で更新されていればユーザーはホームページやSNSに再度訪問し、企業名や商品・サービス名を覚えてくれます。しかし、更新頻度が低ければホームページやSNSを再度訪問する可能性は低く、企業名や商品・サービス名を忘れられてしまいます。
専門的な知識・人員が必要になる
コンテンツマーケティングでは前述の通り、質の高いコンテンツを制作し、それを継続的に更新する必要があります。そのため専門的な知識を持った人を集め、体制を作ることが重要です。また、コンテンツ制作のための専門知識だけではなく、SEO対策で露出するためのノウハウや、SNSで拡散されやすくするためのノウハウなども必要になります。
コンテンツマーケティングを成功させるためには
目的とターゲットを明確にする
コンテンツマーケティングでは目的やターゲットによって手段を選択し、コンテンツを制作する必要があります。
例えば、たくさんのユーザーに商品・サービス名を知ってほしい場合はSNSを活用する、他社サービスとの比較検討をしているユーザーに自社サービスの優位性を知ってもらいたい場合はホワイトペーパーを制作するなどです。適切なコンテンツを制作するために、プロセス毎に目的とターゲットを設定することが重要です。
的確なキーワードを設定し、良質なコンテンツを制作する
コンテンツマーケティングは、ユーザーに有益な情報を提供しなければならないため、コンテンツの質にも注意しなければなりません。世の中に既にありふれた情報や、知りたい情報と違うコンテンツだとユーザーは離脱してしまい、再度訪問してくれる可能性も低くなります。
また、情報を探しているユーザーに見てもらうための工夫も必要となります。多くのユーザーはWebやSNS上でキーワード検索を活用するため、コンテンツの中に情報を探しているユーザーを集客できるようなキーワードを入れることで、検索結果に露出させることができます。
継続的に取り組み、効果測定と改善を繰り返す
コンテンツマーケティングは定期的に効果測定をおこない、改善を繰り返していく必要があります。
コンテンツ毎にアクセス数や滞在時間、エンゲージメント数などを分析することで、どんなコンテンツが人気なのか、ニーズがあるのかなどの傾向を把握し、それに基づいたコンテンツ制作をすることができます。また、古いコンテンツをそのままにせず時代や市場の変化に合わせて更新することで、最新の情報を提供しているという信頼感を与えることもできます。
まとめ
コンテンツマーケティングは、比較的安価に始められる有効なマーケティング手法の一つです。
しかし、目的とターゲットに合わせた内容・手段を選んだうえで、コンテンツの質と更新頻度にも気を配らないと、手間と時間だけがかかって効果が出ないといったことも起こりえます。コンテンツマーケティングを成功させるためには、Webマーケティングの知識を持った専門家に相談することも重要です。
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